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岩本 愛子

IWAMOTO Aiko

先端芸術表現研究領域

審査委員
● 小谷 元彦(先端芸術表現科准教授)、○ 伊藤 俊治(先端芸術表現科教授)、◎ たほ りつこ(先端芸術表現科教授)、後藤 繁雄(京都造形大学教授)


1984年 東京生まれ
2009年 東京芸術大学先端芸術表現科修了

主な受賞
2004年 Amuse Art Jam 2004 特別賞受賞
2005年 Amuse Art Jam 2005 準グランプリ受賞
2009年 東京芸術大学修了制作展 サロンド・プランタン賞受賞


TOKYO GIRLS SENSATION

―「カワイイ」に潜在する2.5次元化した身体の考察 ―

「カワイイ」は便利で軽やか。
なぜ「カワイイ」は世界に受け入れられたのだろう?
時代が求めているものと何かが一致した。
「カワイイ」の中に、人々は何を求めているのか?
便利で軽やかなデジタル化へと進む現代から、
「カワイイ」に潜在する”2.5次元化した身体”に着目して考察する。

 日本のポップカルチャーである「カワイイ」は、インターネットの動画サイトや、CGM(消費者生成メディア) などを通して、海外にも普及し、模倣され、世界的規模の広がりを見せている。人種や国境を越えて、若者の関心を捉え、「カワイイ」が海を渡り、グローバル化が進行してゆく世界にあって受容され、日本のポップカルチャーの一つとして巨大な娯楽産業へと発展していった。

 現代のインターネットによるグローバル化した社会は、ケータイによってインターネットがパーソナライズされ、私たちの生活やコミュニケーションは革命的に変わり、デジタルとフィジカルの両間を、私たちの身体は日々行き来している。あらゆるモノがデジタル化でき、軽量化と高速化が可能になった時代に、 独特で歪んだニュアンスを含む「カワイイ」は便利で軽やかな言語として、その両間を移動し続けながら加速化した。

 “TOKYO GIRLS SENSATION“と、主題とした本論は「東京の女の子の気持ち」訳し、コスプレやプチ整形など、今日の美意識としての「カワイイ」によって身を装い、まるで人形・アニメのような表層となることを夢見る女の子に焦点をあてた。そのようなフィクション化した身体加工は、3次元と2次元を行き来する”2.5次元化した身体”であるとし、現代のデジタルとフィジカルの狭間にある2.5次元化した身体との関係性を考察する。