Tokyo University of the Arts Doctoral Program Final Exhibition 2017

ABOUT

博士審査展について | Message from the President

 今年、東京藝術大学は創立130周年を迎えました。
1887(明治20)年10月4日、上野の地に東京美術学校と東京音楽学校の二校が設置され、ここに我が国の近代芸術教育の礎が築かれました。戦後の1949(昭和24)年には新制の東京芸術大学(美術学部・音楽学部)となり、現在に至ります。今年度の「博士審査展」に出品している学生諸君は、記念すべき年の修了生となります。本学が130年もの教育研究の歴史を積み重ね続けることが出来ましたのも、ひとえに関係各位の芸術教育へのご理解とご尽力、ご支援の賜物であると、心より敬意と感謝を表します。
本学は2004年の国立大学法人化以降、世界でもまれな総合芸術大学として、積極的に教育研究活動を社会に発信し、更なる発展を目指すことを皆様方にお誓いし、社会貢献や国際交流の推進において前進してまいりました。未来永劫にわたり、東京藝術大学が日本をおよび世界を、文化芸術でリードする大学となるべく、教職員・学生が一体となり邁進しているところです。
「博士審査展」は、博士学位審査過程の公開展覧会として、2007年に開始され、今年で第11回目を迎えます。美術研究科の博士後期課程の研究領域は、日本画、油画、彫刻、工芸、デザイン、建築、先端芸術表現、芸術学、文化財保存学より構成されております。会期中には、論文のみの領域を含む論文発表会も行われ、最終審査ののち、研究成果はWebで公開されることになります。
優れたアーティストを輩出することを教育活動の中核に据える本学にとって、博士という最高学位をどのように位置付けるのか、作品創作と論文の成果をどのように社会に問い、また社会へ還元してゆくのかという永遠の課題について、今年も学生らと指導教員らは試行錯誤を繰り返してまいりました。是非とも多くの皆様に「博士審査展」にお運びいただき、本学の人材育成にかける意気込みと学生らが培ってきた成果を、学生らの情熱が煌めく作品を通し、感じていただきたいと思います。

東京藝術大学 学長
澤 和樹

研究科長挨拶 | Message from the Director of Graduate School of Fine Arts

 東京藝術大学大学院美術研究科の博士学位審査には、学科系研究領域の「論文」によるものと、実技系研究領域の「作品と論文」によるものという二つの形式があります。本学のように実技系の学生が多数を占める大学院においては、その審査方法について、これまで様々な見地から検討がなされてきました。
実技作品における感性・技巧・表現等の質の追求は、本学の教育、研究の中心を成すものであります。実技系の博士後期課程においては、国内はもちろん国際的な見地においても一流の創作性と質の高い作品の追求をしなければなりません。それと同時に、客観的考察や論理的思考の追求も必要になってきます。これら作品制作と論文執筆の相乗効果により、博士学位取得の目的が果たされることができます。
本学の美術研究科では、学位審査の対象となる作品展示と論文発表を一つの会場で開催し、「博士審査展」として一般に公開してまいりました。今年度はさらに充実した博士後期課程作品発表展が開催されました。
また、平成26年度から博士審査展図録はweb上で公開されることになりました。こちらの図録には、展示作品の写真と研究論文の要旨を併せて掲載しております。これにより、各学生の研究の全体像を皆様にご理解いただけることはもとより、アーカイブとしての役割をも果たすことになります。
本学における博士学位取得は、まさに多くの方々のご理解と、教育・研究面でのご指導の賜物であります。皆様方に尽くせぬ感謝を申し上げます。本課程修了後、学生たちが芸術家、研究者として益々活躍していくことを期待するとともに、芸術分野での博士号の意義と社会的な価値が、一層定着していくことを願って止みません。また今回の博士審査展にご支援、ご協賛をいただいた団体、個人の皆様に心より厚くお礼申し上げます。

大学院美術研究科長
日 比 野 克 彦

EXHIBITION

博士審査展2017 | Message from the Director of Graduate School of Fine Arts

東京藝術大学大学院美術研究科博士審査展2017

東京藝術大学大学院美術研究科博士審査展2017

会期:
平成29年12月12日(火)〜21日(木)
10:00〜17:00(入場は16:30まで)
会場:
東京藝術大学大学美術館
住所:
東京都台東区上野公園12-8
入場料:
無料
休館日:
なし
主催:
東京藝術大学
協賛:
株式会社ストライダーズ
URL:
http://dr-exhibition.geidai.ac.jp
Tokyo University of the Arts Doctoral Program Final Exhibition 2017
12 December (Tue)~21 December (Thu) 2017
Open every day 10:00-17:00 (last admission 16:30)
Admission Free
The University Art Museum in Ueno Campus
(Ueno park 12-8.Taito-ku Tokyo)
Organized by Tokyo University of the Arts
Supported by Striders Co.
URL:http://dr-exhibition.geidai.ac.jp

WORKS

研究作品・論文Work and papers

日本画 Japanese Painting

  • 脱却と融合-白の景色へ-

油画 Oil Painting

  • リサーチと相互作用の触媒としての展示のロケーション
  • 絵画の表面と奥―存在のありか―
  • 変身の自画像 —クリーチャーが私をつくる—
  • 過剰なざわめき
  • 想像する生き物“人”が生み出す正体不明の仮想現実
  • 空間論

彫刻 Sculpture

  • パターンの繰り返しによる無限構築―コンピュータを活用した彫刻制作―
  • 架空の断片-プラスチックモデルから着想した彫刻表現-
  • セメントの造形詩―疎外感とノスタルジー―

工芸 Craft

  • 「静寂とミニマリスムの探求」
  • 綴織技法による台湾民話の芸術表現の可能性
  • 胎吹きガラスによる感覚的洞察と女性性の可視化
  • [疂彩](ジョウサイ)技法による立体彩絵の世界
  • 17世紀「Kick」工房のラッカー表現と日本の漆芸表現の比較
  • 「空っぽ」という死生観

デザイン Design

  • 東京エメラルドネックレス計画

先端芸術表現 Inter-Media Art

  • 結果、そうなりつつある世界に対してくり返されるちょっとした差し水とすべての祝福について
  • 自意識とポートレート
  • 書籍が建築になること−ル・コルビュジエのタイポグラフィ
  • 「宇宙芸術の共創生モデル―CERNにおける科学者と芸術家の協働から」
  • 露出狂的なるものについて―アカデミズムと奇祭の狭間で―
  • ジェネラティブアートをベースとする芸術表現教育のためのオーディオ・ビジュアル創作システムの開発と構成主義に基づく創作ワークショップデザイン

美術教育 Art and Education

  • 障碍者の芸術活動における支援者のあり方

保存修復 Conservation

  • 唐招提寺伝薬師如来立像模刻制作を通した木取りと台座構造に関する研究
  • たらしこみの研究―尾形光琳筆「四季草花図巻」(個人蔵)の模写を通して―
  • 浅草寺所蔵「水月観音像」の復元研究―月光の表現について―
  • キジル第14窟主室正壁仏龕の復元研究

保存科学 Conservation Science

  • 分子生物学的手法を用いた担子菌による木造文化財の劣化評価に関する研究
  • 竹紙の性状に及ぼす煮熟方法の影響
ARCHIVE

これまでの博士審査展 | Past Doctoral Program Final Exhibition

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