染織|Textile Arts

染飾によるバイロジック表現
皆川 百合 | MINAGAWA Yuri

審査委員:橋本 圭也 青栁 路子 山田 菜々子 藤原 信幸 上原 利丸
作品写真:染飾によるバイロジック表現
《生態系染飾- Ecosystem of Dyeing Deco》 by Dr.Lily

 近年、表現の主体がエゴ(自我)から社会的意識を持った表現へと移り変わりながらも、素材を手放さない工芸種族の作者は、
彩りと素材と技術の調和を前提に、産業廃棄問題にもなっている「衣類」を扱う者として、
サスティナブルな循環制作活動を意識したことをきっかけに、アップサイクルのプロセスによって作者の制作循環を整える。

本作品の構成は、筆者の制作現場からインスピレーションを受けた「染飾の制作循環」をテーマに、
サーキュレーションエコノミーの一環として公的な「循環活動」と、私的な制作工程を表象化し、公私が相互作用した作品制作を意識した。
また、筆者の染色方法である他者の深層心理を表す「色むら模様」と、制作過程で生まれる廃棄布や端布を組み合わせ装飾を施した染飾のコレクションである。