Craft
「恋果物語」台湾の色と模様による彩磁の器
鍾 雯婷
本論文では来日して感動した日本文化の精髄の一つである風物詩から発想し、「恋果物語」一台湾の色と模様による彩磁の器の制作についてまとめた。
「多くの民族により形成された台湾の文化における装飾紋様と色」を研究し、台湾文化の現状に即した、器の意匠を模索したいと思っている。即ち、装飾紋様と色を研究することで、時代と地域に合った器を研究するということである。
また、塩化物による液体顔料―「彩磁」の研究を基に、さまざまな磁土に試験を行ったので、今後の参考資料として整理した。それを元に、創作と融合して、液体顔料の特長を活かし、新しく応用できるように、より自由な創作をすることを目指す。
論文の構成は以下の通りである。
序論では、研究動機について述べる。五年前に来日し、私にとっては異文化である日本文化に強い影響を受けたことにより、自分が育った地元台湾の歴史と文化に対する疑問が深まった。その一方、言葉を知らずに来日し、さらに気候や環境の違いで、慣れるまでは長い間非常に不安で、悩んでいたが、忘れられない充実な三年間を思い出すと、言葉の慣れない環境の中で最も関心しているのが生活の中の色と模様であった。
第一章で、私自身の視点や思想、から「模様」を通じて自分なりの台湾文化を探究した。台湾の歴史や文化的な背景を始めとし、普からの台湾の民族紋様や、戦後の台湾の布柄―台湾花布を創作の発想源として位置付ける。また、提出作品の発想、原点として、台湾の果物の句や特徴を探究し、台湾人との替えのないものを伝える。それらは季節にかかわる感情や文化が台湾人の心にも強く訴えかけてくるものがある。
さらに、第二章で、塩化物による液体顔料である「彩磁」を研究し、日本や海外における液体顔料について、作家作品や文献を記録した。さまざまな原料と磁土に試験を行い、液代顔料の特長を模索する。意匠の創作と彩磁が融合することで、液体顔料の良さを活かし、新しい応用ができるように、そしてより自由な創作が実現することを目指したい。
それを元に、第三章では、現在の研究に繋がる、2011年国立台南芸術大学大学院修士論文「盛装」から今までを振り返って検証する。 特に、現在の研究への大きなきっかけとなった金沢卯辰山工芸工房での作品制作と研究のそれぞれについて詳しく述べる。東京芸術大学での3年間の制作をベースとして、「恋果物語」 という作品を提出した。
第四章で、この論文の結論として、自分なりの台湾の「模様」と「色」を生
み出すことで、その模索の過程と制作の結果を通じて、自分自身のアイデンティティーと文化の疑問を解決していきたいと考えている。
「多くの民族により形成された台湾の文化における装飾紋様と色」を研究し、台湾文化の現状に即した、器の意匠を模索したいと思っている。即ち、装飾紋様と色を研究することで、時代と地域に合った器を研究するということである。
また、塩化物による液体顔料―「彩磁」の研究を基に、さまざまな磁土に試験を行ったので、今後の参考資料として整理した。それを元に、創作と融合して、液体顔料の特長を活かし、新しく応用できるように、より自由な創作をすることを目指す。
論文の構成は以下の通りである。
序論では、研究動機について述べる。五年前に来日し、私にとっては異文化である日本文化に強い影響を受けたことにより、自分が育った地元台湾の歴史と文化に対する疑問が深まった。その一方、言葉を知らずに来日し、さらに気候や環境の違いで、慣れるまでは長い間非常に不安で、悩んでいたが、忘れられない充実な三年間を思い出すと、言葉の慣れない環境の中で最も関心しているのが生活の中の色と模様であった。
第一章で、私自身の視点や思想、から「模様」を通じて自分なりの台湾文化を探究した。台湾の歴史や文化的な背景を始めとし、普からの台湾の民族紋様や、戦後の台湾の布柄―台湾花布を創作の発想源として位置付ける。また、提出作品の発想、原点として、台湾の果物の句や特徴を探究し、台湾人との替えのないものを伝える。それらは季節にかかわる感情や文化が台湾人の心にも強く訴えかけてくるものがある。
さらに、第二章で、塩化物による液体顔料である「彩磁」を研究し、日本や海外における液体顔料について、作家作品や文献を記録した。さまざまな原料と磁土に試験を行い、液代顔料の特長を模索する。意匠の創作と彩磁が融合することで、液体顔料の良さを活かし、新しい応用ができるように、そしてより自由な創作が実現することを目指したい。
それを元に、第三章では、現在の研究に繋がる、2011年国立台南芸術大学大学院修士論文「盛装」から今までを振り返って検証する。 特に、現在の研究への大きなきっかけとなった金沢卯辰山工芸工房での作品制作と研究のそれぞれについて詳しく述べる。東京芸術大学での3年間の制作をベースとして、「恋果物語」 という作品を提出した。
第四章で、この論文の結論として、自分なりの台湾の「模様」と「色」を生
み出すことで、その模索の過程と制作の結果を通じて、自分自身のアイデンティティーと文化の疑問を解決していきたいと考えている。
審査委員
豊福誠 片山まび 三上亮 唐澤昌宏
豊福誠 片山まび 三上亮 唐澤昌宏